積小為大

大事をなそうと思ったら、まず小さなことを怠らず勤めなければならない。小が積もってはじめて大となるのである。 失敗する人の常として、大事をなそうとして小事を怠り、難しいことを心配して、やりやすいことを勤めないから、結局大事をなすことができないのだ。それは「大は小を積んで大となる」ことを知らないからだ たとえば、百万石の米といえども、米粒が特別大きいわけではない。万町歩の田を耕す 場合でも、その作業は一鍬ずつの仕事からである。千 里の道も一歩ずつ歩いて到達する 山をつくるときも、ひとモッコの土からなるというこ とをしっかりとわきまえて、気持ちを奮い起こして小さなことを勤めていけば、大きなこ とも必ず成就することができる。 小さなことをいい加減にする者は、大きなことも必ずできないのである。