五常講

こんにちは

へこみんです

二宮金次郎が発案したものに、五常講というものがあります

今回は五常講についてはなしたいとおもいます。

金次郎が大切としていた道徳の根幹としていたものが儒教です。

その儒教の教えに五常というものがあります。

五常とは、人間が大切にすへぎ五つで、仁(思いやり)、義(正しいと思う事をする)、礼(礼儀作法)、智(知ること、学ぶ事)、信(信じる心)の五つのことです。

五常講は、この五常を守ることを条件とする道徳心を担保とした金融制度のことです。

金次郎は、武家奉公人のときに、服部家の用人や中間や女中ら同輩そしてその家族から借金の要望 に応じるため、金を預かってそれを他に貸して利子を増やすということや、借金の返済から将来の生活の在り様について相談に応じていました。こうした同僚の家計相談に応じて居る間に「五常講」とい う相互扶助の仕組みを考え付きました。

五常講の基金は、金次郎の恕いやりと自律を促す指導の下で集められ、運用されました。

お釜の底に積もる煤を丹念に削り取って火力を強め、 薪を節約した代金、お灯明の蝋燭の使用時間に制限を設けて節約した代金や、休みの取れた日に農作業を手伝って稼いだ手間賃、夜なべの縄綯いで稼いだ代金、不要になった品物を売り払った代金等々でした。金次郎は以上のように基金を産み出すのに努力を惜しまなかった出精者には褒美の金品を与え、また、その資金は使用人部屋の普請や誤って壊してしまった物品などの購入などにも当てていたといわれています。使用人たちは相互の信頼によって培われてくる勤勉や倹約への自らへの励行が五常講の存立・維持であり、その行動が自分たちに役立ち得るものとして理解しました。
また、この五常講は下級武士に対してもおこなわれました。

金次郎が 家政の困窮状態に陥った家老服部十郎兵衛の依頼を受けてその家政再建に当っていたときに、その関係を通じて見えて来る武士の生活環境、下級藩士も俸 禄だけでは生活出来ず、それを内職で賄おうとしてもその材料を買うお金に さえ困っていました。その窮状を察して、金次郎は家老の吉野図書に対し藩士の間 で五常講の実施を進言し、300両を与えられました。

そこで、その300両を3組に分け、1組100両を100名の連名記帳を行い、 1両ずつ100日無利息で利用し、もし、その1両を借りた者が延滞した場合には、その者から下へ10名が弁償し、100両が揃わない時は貸付を停止す るという約束事の下に成り立っていました。

「世の中は道(約束)によって金が融 通されるものである。ただし借りたものは、借りた時の心を忘れず返済すれ ば道の一つを守ったことになる」

約束を守るという義務の完全な履行に よって信頼という善が生まれ、それが更に新たな約束を成立させます。この五常講の1両に助けられた人は、その時の感謝の気持ちに対して、何らかの徳(行為)をもって報いなければなりませんでした。

このことを五常の教えをもって説明すると、次のようになります。
多少余裕のある人から、余裕のない人にお金を差し出すことが必要です。いわば推譲といっていいでしょう。これが仁です。そして、借りたほうが約束を守って正しく返済することを義といいます。また約束を守った後、必要な資金を推譲してもらったことを感謝して、その恩義に報いるために冥加金を差し出したり、また、返済について貸付金に当てるときも、決して威張ったりしないこと、これを礼といいます。また、どのようにして余財を生じ、借りた金を早く返すか、つまり約束を迅速確実に守るかである仁義礼智信の五つが必ずともなっているのです。

この様に、道徳と金融を融合させ、貧困者をすくう方法をあみだしました。

 

以上五常講の説明でした。